「やっぱり心の旅だよ」@福満しげゆき

★★★

全1巻

2007年

●あらすじ(GEMINIより)

『やっぱり心の旅だよ』は、福満しげゆきが本格的なブレイクを果たす前、極貧の不遇時代に描いた初期作品群をまとめた短編集(青林工藝舎)です。

表題作をはじめとする収録作の多くは、当時、生活費を稼ぐために成人向け漫画誌(『漫画アクス』など)で連載していた作品ですが、一般的なエロ漫画の枠には到底収まらない異彩を放っています。物語の軸となるのは、うだつの上がらない漫画家志望の「僕(著者本人)」と、その恋人(後の妻)とのやり取り、そして常に「僕」の頭を支配している過剰な自意識や被害妄想です。

作中の主人公は、社会や他人に対する嫉妬や恐怖、卑屈な自己評価に苛まれ、常に心の中でぐるぐるとネガティブな思考を巡らせています。本来であればエロティックなシチュエーションへ向かうはずの場面でも、主人公のドロドロとした葛藤や「こんなことをして嫌われないだろうか」「どうせ自分なんて」という自問自答が延々と続き、どこか滑稽で切ない日常のドタバタ劇へと変化していきます。

そんな鬱屈とした「僕」の傍らにいるのが、独特の愛嬌と大らかさを持つ彼女です。世間とうまく折り合えない主人公を否定せず、淡々と受け入れる彼女との不器用な日常は、生々しいリアリティと妙な温かみに満ちています。

本作の最大の魅力は、作者特有の「情けない自分を徹底的に客観視する視点」と、それを緻密な線画と独特の語り口で描き出す構成力にあります。タイトルの『やっぱり心の旅だよ』が象徴するように、物理的な旅行ではなく、自意識の迷宮をグルグルと彷徨う「内面(心)の旅」を描いた作品であり、人間の小ささや恥ずかしい部分を包み隠さず晒し出すことで、読者の胸に刺さる奇妙な共感と哀愁を生み出しています。

後年のヒット作『僕の小規模な生活』や『うちの妻ってどうでしょう?』へ繋がる福満節の原点であり、苦しい現実の中でもがく人間の情けなくも愛おしい姿を凝縮した一冊です。

●感想

すごい良く分からない作品だけど、スパッと読めます。

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