「異世界で神様になったので、だいたい何でもできる!!」@高成利季

★★☆

全7巻

2019年-2021年

 

●あらすじ(GEMINIより)

冴えない日々を送る高校生・神代(かみしろ)はある日、事故に巻き込まれ命を落としてしまう。だが、目を覚ました彼の目の前に広がっていたのは見知らぬ異世界。さらに彼を迎えたのは、なんと「この世界の神様にならないか」という突然のオファーだった。選択の余地もなく異世界の神としての権能を引き継ぐことになった神代は、文字通り「だいたい何でもできる」という規格外で全能に近いチート能力を手に入れることになる。

普通なら世界を救う勇者として魔王討伐へ立ち向かうような凄まじい力を得た神代だったが、彼には世界征服も英雄になる気も毛頭なかった。目指すはただ一つ、自分の生み出した力と圧倒的な権能を活かして、異世界で気ままかつストレスフリーなスローライフを送ること。

神代は自らの手で快適な拠点を創り出し、現代の便利な知識やチート級の魔法を用いておいしい料理を作ったり、周囲の環境を整えたりと自由気ままに異世界での生活を満喫し始める。その過程で、困っている村人や個性的で魅力的な異世界の住人たちと出会い、彼の「何でもできる力」は意図せずして人々の悩みや街のトラブルをあっさりと解決していく。

どんな強力な魔物や厄介な問題が立ちふさがろうとも、神の力を持つ神代の前ではすべてが平穏な日常のスパイスに過ぎない。無敵ゆえの余裕とコミカルな展開のなかで、彼は仲間たちと共に平和で賑やかな日々を紡いでいく。圧倒的な全能感とストレスゼロの爽快さで描かれる、神様主人公による異世界エンジョイファンタジー。

●感想

高成利季先生の『異世界で神様になったので、だいたい何でもできる!!』(全7巻)を最後まで読み切りました。

異世界転生・チート系のジャンルは普段から割と読む方なのですが……率直な感想を言ってしまうと、「数ある異世界シリーズのなかでも、正直そこまで面白さを感じられなかった」というのが本音です。

圧倒的すぎるチートゆえの「不完全燃焼感」
「神様の力を手に入れて、だいたい何でもできる」というタイトル通りの設定なのですが、主人公が最初から無敵すぎて、どんなトラブルが起きても緊張感が全くありません。

もちろん、「チート能力でストレスフリーに無双する」「のんびりスローライフを送る」という展開自体は異世界モノの醍醐味の一つです。ただ、本作の場合は障害やライバルとの掛け合い、あるいはストーリー的な起伏があまりにも平坦で、読んでいる途中で波風が立たなすぎると感じてしまいました。

「何でもできる」からこそ、何が起きても結果が見えてしまい、物語としてのドライブ感やワクワク感が薄れてしまったのが勿体ないポイントです。

既視感とキャラクターの掘り下げ
また、異世界ジャンルの流行要素(現代知識の持ち込み、コミカルな世直し、美少女たちとの交流など)が詰め込まれてはいるものの、この作品ならではの独自性や「これ!」という強みが少し見えづらかった印象です。

全7巻と巻数自体はほどよいボリューム感でまとめられているのですが、登場人物たちのドラマやバックボーンの掘り下げも浅めで、読み終えた後に心に残るキャラクターや名シーンがあまり残らなかったのが正直なところです。

まとめ
とにかく頭を空っぽにして、一切ストレスを感じずにサクサク読める「完全無傷の無双系」が好きな方には向いている作品なのかもしれません。

ただ、異世界モノに少しひねった展開や、主人公の成長、手に汗握るドラマ性を求めている読者にとっては、少々拍子抜けしてしまうかもしれません。

異世界ジャンルが飽和している今だからこそ、「設定の突飛さ」だけでなく「物語としての深みや緩急」の重要さを再確認させられた読書体験でした。

 

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