★★★
全2巻
2020年-2021年

●あらすじ(GEMINIより)
『“かわいい”はキミのもの』は、ルックス抜群で女子からモテまくるものの、心の中に大きなコンプレックスと密かな願望を抱える男子高校生・葵(あおい)と、彼を取り巻く人々が描く青春恋愛ドラマです。
主人公の葵は、周囲からは「イケメンでかっこいい男子」として扱われていますが、実は幼い頃から「かわいいもの」や「ドレス」「フリル」といったものが大好きでした。しかし、「男のくせにかわいいものが好きなんて変だ」「かっこよくいなければいけない」という世間の視線や規範に縛られ、自分の本当の好きを押し殺して生きています。
そんな葵の前に現れるのが、幼なじみであり、自分の「かわいい」という感情に素直に生きている少女・凛(りん)です。凛は葵の隠された趣味や葛藤を否定せず、ありのままの彼を肯定して受け入れます。凛との関わりや言葉を通じて、葵は長年自分を締め付けていた「男らしさ」という呪縛から少しずつ解放され、自分が心から憧れていた「かわいい」という世界へ一歩を踏み出す勇気を得ていきます。
本作の最大の魅力は、単なる「女装」や「かわいらしさ」を消費するコメディにとどまらず、「自分が好きだと思うものを好きと言えるか」「性別や周囲の目にとらわれずに自分らしく生きるとは何か」という普遍的で切実なテーマを丁寧に掘り下げている点です。自分の偏見や世間の価値観と戦いながらも、自分だけの「かわいい」を模索し、成長していく葵の姿は多くの読者の共感を呼びます。
繊細で美しい画風で描かれるキャラクターたちの揺れ動く感情表現と、お互いを尊重し合いながら少しずつ変化していく甘酸っぱくも温かい人間関係。全2巻というコンパクトな物語の中に、自分を愛することの大切さと「スキ」を貫く尊さがぎゅっと凝縮された、爽やかで胸を打つ傑作青春コミックです。
●感想
サクッと読める恋愛もの