2015年-2019年
全8巻
★★★☆

●あらすじ(GEMINIより)
ボーイッシュで空手道場の娘でもある女子高校生・相沢智(トモ)は、隣に住む幼馴染の男子・久保田淳一郎(淳)に長年想いを寄せている。意を決して好きだと告白したトモだったが、あまりに男前で強い「親友」として扱われすぎてきたため、淳からは単なる友愛だと勘違いされ、切ないアプローチも虚しく空振りしてしまう。
諦めきれないトモは、淳に「女の子」として意識してもらうべく奮闘を開始する。しかし、女子特有の仕草や服装を試してみても、持ち前の男勝りな格闘能力やサバサバした性格が邪魔をして、なかなか甘い雰囲気にならない。一方の淳も、実はトモの可愛らしさや変化に内心動揺しつつも、これまでの親友関係が壊れることを恐れて自分の素直な気持ちと向き合えずにいた。
そんな2人のもどかしい距離感を取り巻くのは、個性豊かな友人たち。冷静沈着で腹黒なトモの親友・群堂みすずや、綿菓子のように可憐だが計算高いイギリス人留学生・キャロル・オールストンらが加わり、トモの恋愛大作戦はときに予測不能な騒動へと発展していく。
不器用なトモと鈍感な淳の、じれったくも微笑ましい攻防戦。友情と恋心のはざまで揺れ動く高校生たちの日常を、テンポよくポップに描いた甘酸っぱい青春ラブコメディ。
●感想
一見すると「幼馴染の男子に女の子として見てもらえない」というラブコメの王道パターンだが、その見せ方が実に見事で、実に新感覚の4コマ漫画として最後まで楽しませてくれた。
4コマという限られたコマ割りの中で繰り広げられるテンポの良い掛け合いと、単なるオチにとどまらないストーリーの展開力は見事の一言。Twitter発の作品らしい軽快さがありながら、単行本でまとめて読んでもダレることなく、甘酸っぱい恋模様とコメディのバランスが絶妙に保たれている。
そして何より、本作を魅力的にしているのは強烈な個性を放つキャラクターたちだ。主人公のトモの男前かつ不器用な可愛さはもちろん、それをサポート(あるいは弄ぶ)周囲の面々が素晴らしい。冷徹で腹黒い毒舌家の群堂みすずや、一見天然ふわふわ系でありながら鋭い洞察力を持つキャロルなど、サブキャラの存在感が抜群で、彼女たちが画面に入るだけで一気に物語のドライブ感が増す。
不器用すぎるトモと淳のもどかしい距離感にニヤニヤさせられつつも、キャラ同士の濃密な関係性や掛け合いの妙にぐいぐい引き込まれる。王道の設定にフレッシュな風を吹き込んだ、個性的で満足感の高い良質なラブコメディだった。