★★★★
2023年-2025年
全10巻

●あらすじ(チャットGPTより)
漫画版『勇者と呼ばれた後に ―そして無双男は家族を創る―』(原作:空埜一樹/作画:むすあき)は、戦いの果てに平和をもたらした勇者が「家族」という新たな戦場に挑む、感動のファンタジー作品である。物語の主人公は、かつて魔王を討伐して世界を救った“最強の勇者”ロイド・ブランク。彼は数々の国を救い、人々の称賛を受けた存在だったが、その圧倒的な力の前に、敵も味方も恐れを抱き、彼の周囲には誰も残らなかった。戦いが終わった今、ロイドが求めたのは名誉でも富でもなく、“穏やかな暮らし”だった。彼は辺境の地に隠棲し、静かに余生を過ごそうとする。
だが、彼の人生はそこで終わらない。かつて彼が倒した“皇帝竜イヴリース”が人間の姿となって現れ、ロイドの前に立つ。イヴリースは戦いの中でロイドの強さと誠実さに惹かれ、彼の伴侶となることを望む。敵として命を懸けて戦った二人が、今度は「夫婦」として新たな関係を築いていく。彼らは辺境の地で暮らしを始め、やがて行き場を失った少女ソフィアを引き取る。ソフィアはかつて“災厄の魔女”と恐れられた存在だったが、ロイドのもとで家族としての温かさを知っていく。
物語は、彼らが「血のつながらない家族」として成長していく姿を中心に進む。かつて戦場で命を奪い合った者たちが、今度は“誰かを守る”ために生きる姿は、勇者という存在の真の意味を問いかける。ロイドは、世界を救った後に訪れる“平和”をどう生きるのか――その答えを「家族」という形で見つけていく。
中盤では、魔族や旧王国の残党たちが平和を乱そうと動き出し、ロイドの過去が再び彼の前に立ちはだかる。彼は再び剣を取るが、もはやそれは「戦うための剣」ではない。家族を守るための剣である。イヴリースも、ソフィアも、そして新たに迎え入れた魔王の娘アリスも、それぞれが心の傷と向き合いながら、本当の“家族”になっていく。強さとは、他者を支配する力ではなく、愛する者を守る意志であることを、ロイドは体現していく。
物語の後半では、ロイドの過去の罪と戦いの爪痕が描かれ、彼が倒してきた存在たちの遺恨が一挙に噴出する。人間も魔族も、戦争の後に残された傷を抱えており、ロイドはその全てと向き合うことになる。彼は「勇者」としてではなく、「夫」として、「父」として」問題を解決していく姿を見せる。圧倒的な戦闘力を誇る彼であっても、家族を守る心の強さは、かつての戦場で得た力とはまったく異なる。
最終巻では、すべての因縁が収束する。ロイドは、己の力で多くを救い、多くを失ってきた過去を清算し、ようやく本当の安らぎを手に入れる。最強でありながら、最も人間らしい「弱さ」と「優しさ」を持つ彼の姿が、静かな感動を呼ぶ。物語は、ロイドたちが暖かな食卓を囲むシーンで幕を閉じる。そこには、かつて戦いに明け暮れた勇者の面影はなく、一人の父として家族を見守る穏やかな男の姿がある。
『勇者と呼ばれた後に ―そして無双男は家族を創る―』は、戦いの終わりから始まる“もう一つの英雄譚”であり、力と愛の意味を静かに問いかける物語である。
●感想
面白かったです。
勇者が魔王を倒した後の話。
この傾向は「葬送のフリーレン」を見て思いついた感じでしょうか。
孤独の勇者が家族を作っていく話はなかなか良かったですし、勇者が圧倒的に強いというのもワンパンマンのような爽快感があっていいですね。