★★★☆
2017年-2019年
全13巻
●あらすじ(チャットGPTより)
高校2年生の草壁真琴は、重い病気で意識の戻らない妹・詩織を救うため、学校に通うこともできず、朝から晩までバイトに追われる毎日を送っていました。母は逃げ、父は酒に溺れてバイト代や入院費を使い込むなど、家族を支えるすべをすべて奪われた日々。ある日、妹のドナーが見つかったという希望の知らせが届くも、それは幻に過ぎず、真琴は絶望のあまり「明日なんて来なければいい」と神社で叫びます。それがきっかけとなったのか、翌日から時間がループし始めます――。
「人を1人殺さないと、その日が終わらず、同じ日が繰り返される」。真琴だけがこの呪いに気づき、妹と共に同じ日を繰り返す中で、妹の容態は日に日に悪化していきました。手術予定日である8月10日にたどり着くためには、1日につき1人、命を奪うしかない――。苦しみながらも真琴は決断し、妹を救うために命を奪い続けるという、非情な日々が始まります。
真琴は最初、真っ当な道を選ぼうとしますが、機会に追い詰められるうちに自分でも信じられないほどの判断へと足を踏み入れていきます。最初に「標的」として選ばれたのは、妹の治療費を奪ったバイト先の先輩。撃ってしまったことで時間は前に進み、妹の手術への希望が再燃します。その後も「一日一殺」という呪いに翻弄されながら、真琴は深刻な心理的負担と道徳的葛藤に苦しむことになります。
そんな中で登場する人物たちも、物語を複雑にしていきます。同級生の片桐千春は、最初は真琴に助けられた少女として登場しますが、しだいに真琴に依存し、その愛着は狂気じみた依存へと変わっていきます。彼女は母親や継父への復讐を願い、真琴に依頼してその命を奪わせるなど、倫理の境界を越えて物語を狂わせていきます。
一方、警察側からも探偵のような存在・九十九樹というキャラクターが登場します。頭脳明晰な彼は、“草壁真琴こそが犯人ではないか?”という疑いを持ちつつも真相を追います。部下の刑事・水野紗枝は、九十九の直感を信じて行動し、徐々に真琴の行動に迫っていきます。
時が進まない呪い、妹の悪化、命を奪う苦しみ、迫る警察の追跡、依存する人物の出現……。真琴は減りゆく希望に縋りながらも、「ハッピーエンド」を本当に迎えることができるのか、自らの選択を問い続けます。
物語の終盤では、呪いを解く方法がついに明かされ、最終的に真琴と詩織に訪れる運命が描かれますが、「誰かの犠牲の上に成り立つ未来が、本当に“幸せ”と言えるのか?」といった重い問いが残されます。
●感想
殺人を犯さないと明日に進めないというルールだけかと思いきや、途中からかかわった人も同じループに入ってしまうことになり、なかなか設定が複雑化。
それにしても途中から殺人をあまり気にせずするようになったところが恐ろしい。
後半は単なる殺人鬼のようになってしまい、この漫画のテーマが何であったか忘れてしまいそう。
最後は過去に戻りハッピーエンドかと思いきや、そうでもないところが恐ろしいですね。