★★★
2010年-2012年
全4巻
●あらすじ(チャットGPTより)
小池ノクトの漫画『6000-ロクセン-』は、深海6000メートルという人類がほとんど足を踏み入れたことのない極限の世界を舞台にしたサスペンスホラー作品です。暗黒の海の底で起こる出来事と、そこで翻弄される人間たちの恐怖と葛藤が濃密に描かれています。
物語の舞台となるのは、フィリピン海に設置された巨大な海底プラント「コフディース」。これは日本と中国の共同で建設されたもので、深海資源の採掘や調査を目的とする最先端の施設でした。しかし、建設からまもなく、このプラントでは原因不明の大事故が発生します。施設にいた作業員は全員が死亡し、その原因も詳細も不明のまま。以後「コフディース」は閉鎖され、長らく海底に放置されていました。
事故から3年後、主人公の門倉健吾が登場します。彼は調査員として新たに組織されたチームの一員となり、事故の真相を探るために「コフディース」へと赴くことになりました。健吾は当初、ただの任務と割り切っていましたが、深海6000メートルという環境は想像以上に過酷で、到着前から心の奥に不安を抱えています。
施設に到着した健吾たちを待ち受けていたのは、静寂と暗黒に支配された空間でした。建物はひっそりと佇み、人が消えた後の気配が重く残っています。調査を進める中で、突如として電源が落ちたり、通信が途絶えたりと機械のトラブルが頻発。やがて「何か」が彼らの前に現れる気配を見せ始めます。その正体ははっきりとは描かれませんが、確実に人を襲い、命を奪っていく存在でした。
閉ざされた海底施設の中で逃げ場のない彼らは、恐怖に駆られながらも生き残る方法を必死に模索します。酸素や食糧は限られ、救援はすぐには期待できません。時間が経つにつれて、仲間同士の疑心暗鬼や対立も生まれ、極限状態での人間の弱さや醜さがむき出しになっていきます。信じ合って協力するのか、それとも自分だけが助かろうとするのか——彼らの選択は生死を大きく左右していきました。
一方で、物語はただの怪物ホラーに留まらず、深海という「人間にとって未知の領域」が持つ圧倒的な存在感を描いています。光の届かない世界、押し潰すような水圧、そして人間の文明が持ち込まれた異物としての施設。その中で人は、自然の力や科学技術の限界を痛感させられるのです。健吾たちが体験する恐怖は、単なる脅威への怯えではなく、人間が「立ち入ってはいけない場所」に足を踏み入れてしまった報いのようにも描かれています。
物語が進むにつれて、事故の真相や「コフディース」で何が起きたのかも少しずつ明らかになります。しかし、それは単純な機械の故障や人為的ミスではなく、深海という環境と人間の思惑が交錯した結果にすぎません。生き残るために足掻く登場人物たちの姿は、読者に「人間とは何か」「科学の進歩は本当に幸せをもたらすのか」という問いを投げかけてきます。
『6000-ロクセン-』は全4巻という比較的短い作品ですが、深海ホラーとしての緊張感と、心理的なサスペンスの濃さは非常に強烈です。圧倒的なスケール感を持つ深海描写と、そこで繰り広げられる人間ドラマは、読み終えた後に重苦しい余韻を残します。恐怖の中で描かれるのは怪物そのものではなく、人間の内面に潜む弱さや恐れであり、だからこそ心に突き刺さるのです。
読者は健吾たちと共に暗闇を進むような緊迫感を味わい、最後のページを閉じたときには、まるで自分自身が深海6000メートルの闇を覗き込んだかのような感覚に包まれます。ホラーやサバイバル、サスペンスが好きな人にはもちろん、自然や科学に関心のある人にもおすすめできる一作です。
●感想
面白いのか面白くないのか分からない。
深海のリアル感があるような感じもするし、化物も出てきてしまうし、結局何だったのだろうと。
ジャンル自体もよく分からない。でも読めてしまうのが不思議。
ただし、読み終わった段階であまりスッキリしないところが難点ですね。
ホラーにするのか、サスペンスにするのか、はっきりしていない分、読んでいて疲れました。