★★★☆
全1巻
2018年
漫画家が漫画の描き方を漫画にするのはよくある話。
でも、こちらは実際の話で、刑務所で漫画の描き方を教えるというものすごい異色な話でした。
しかもデジタル化した漫画の背景画を描けるようになるというすごい話です。
一部の刑務所で運営が民営化され、刑期の短い人を中心とした刑務所では再犯防止のため職業訓練を真剣に取り組んでいます。
そこで広告などのイラストを描くことから広がり、背景画を描き、売り出すというところまで広がっていきます。
目的は漫画家のアシスタントを育てるということではなく、絵を描くことから集中して物事に取り組むこと、投げ出さないことなどを学べるということでした。
たしかに背景のような細かい作業をずっと描いているのですから、すごい集中力がつくと思いますし、もっともだなぁと思いました。
そんな漫画の中でも、刑務所は加害者側であり、被害者からの視点ではこんなことをやらせるのはどうかということに対する葛藤が書かれており、それも確かになと思う内容でした。
刑務所のあり方というのはなかなか難しいものだと感じましたが、再犯するよりはやはり今後まっとうに生きていくための考え方を身に付けさせるというのは、良いことだと思います。