★★★
全4巻
2012年-2014年

●あらすじ(チャットGPTより)
東京下町で小さな工務店を営む大工・茂次は、腕は確かだが寡黙で不器用な青年。ある日、火事によって両親を同時に失い、父が築いてきた工務店を継ぐことになる。突然背負わされた「棟梁」という立場。だが若さゆえに信用は薄く、取引先は離れ、職人仲間の視線も厳しい。さらに、両親が世話をしていた身寄りのない子どもたちを引き取ることになり、生活は一層困窮する。
茂次は、父から教わった「約束を守れ」「嘘をつくな」という言葉を胸に、仕事にも子どもたちにも誠実に向き合おうとする。しかし現代社会は効率や利益を優先し、時間も金もかかる丁寧な仕事は敬遠されがちだ。古い職人気質を貫こうとする茂次の姿勢は、周囲から頑なで融通が利かないと受け取られることもある。それでも彼は妥協を選ばない。父が遺した看板を守ること、それが彼にとっての矜持だった。
工務店の再建は容易ではない。資金繰りに苦しみ、信頼を取り戻すために奔走しながら、子どもたちの生活も支えなければならない。子どもたちは無邪気でありながら、親を失った傷を抱えている。茂次は多くを語らないが、彼らを突き放さず、静かに見守り続ける。その不器用な優しさは、やがて子どもたちの心に届いていく。
一方、茂次の前に現れるのが、どこか影を帯びた女性・律。彼女は火事をきっかけに茂次と関わるようになり、子どもたちの世話を手伝う。奔放で率直な物言いをする律は、寡黙な茂次とは対照的な存在だ。二人の間には恋とも友情ともつかない緊張感が漂うが、互いの弱さや孤独を理解し合うことで、少しずつ距離が縮まっていく。
物語は派手な事件を描くのではなく、誠実に生きることの重さを淡々と積み重ねる。約束を守るとはどういうことか。責任を背負うとは何か。家族とは血のつながりだけを指すのか。茂次は多くを語らずとも、その背中で答えを示そうとする。やがて彼の姿勢は周囲の評価を変え、工務店にも少しずつ光が差し込む。
『ちいさこべえ』は、時代が変わっても揺るがない誠実さの価値を描く物語である。沈黙と余白の多い演出の中に、人が人を支え、信頼を築く過程が静かに浮かび上がる。茂次の不器用な歩みは、読む者に「真っ当に生きること」の意味を問いかけ、深い余韻を残して物語を結ぶ。
●感想
すごい不思議な雰囲気の漫画です。
火事で両親を亡くして、大工の棟梁を引き継いで、子供たちを預かって。
深いテーマが隠されています。