★★★★★
2015年-2019年
全10巻
●あらすじ(チャットGPTより)
『ハピネス』は、押見修造による全10巻の漫画作品で、2015年から2019年まで『別冊少年マガジン』に連載されました。本作は吸血鬼という非現実的な存在を題材にしながらも、思春期の葛藤や孤独、暴力、性愛、そして「幸せとは何か」を真摯に問いかけるダークファンタジーです。
物語の主人公は、高校1年生の岡崎誠。内向的な性格で、いじめの標的にもなっていた誠は、ある夜突然、謎の少女ノラに襲われ、首を噛まれて瀕死の状態になります。しかし、誠は死ぬことなく命をつなぎ、その日を境に身体に異変が起こりはじめます。光に過敏になり、人間離れした身体能力を得る一方で、耐え難い“渇き”にも襲われるようになるのです。
やがて、誠は自分が吸血鬼になりかけていることに気づきます。戸惑いながらも、同じ境遇にあるノラと関わる中で、自らの存在や欲望と向き合っていきます。しかし、それは決して安らぎをもたらすものではありません。幼なじみで唯一の友人だった勇樹もまた吸血鬼化し、ふたりの友情は徐々に歪んでいきます。
また、誠を想う少女・五所雪子との関係も物語を大きく動かしていきます。彼女の存在は誠にとって希望のようでありながら、やがて彼女自身も吸血鬼の世界に巻き込まれていきます。物語が進むにつれ、「吸血鬼になること」を神聖視するカルト的な教団が現れ、彼らは誠や雪子、勇樹を実験や暴力で支配しようと画策します。
激しい対立と破壊の中で、誠は吸血鬼としての自分を受け入れる決断を下し、雪子たちを救おうと行動します。彼は人としての生を諦め、ノラとともに不死の存在として生きる道を選ぶのです。一方、雪子は人間としての人生を歩み、結婚し子どもを育てながら年を重ねていきます。
最終巻では、年老いた雪子と、外見の変わらない誠との再会が描かれます。彼らの間に交わされる最後の言葉は、異なる道を選んだふたりがそれぞれに見つけた「幸福」を象徴しています。永遠を生きる誠と、限りある人生を全うする雪子――その対比が、読者に深い感動と余韻を残します。
『ハピネス』は、「生きること」「変わること」「愛すること」そして「幸せであること」の意味を、幻想的かつ現実的な描写で問いかけてくる作品です。青春という揺れる時期に起こる心と体の変化を、吸血鬼というモチーフに重ね合わせ、読む者に強烈な印象を与える物語です。
●感想
すごい作品ですね。
この作者の作品はいつも暗く、考えさせられるところが多いです。
読むべき作品だと思いますが、読むタイミングは選びますね。
元気な時に読みたいかな。