「社長島耕作」@弘兼憲史

★★★★☆

2008年ー2013年

全16巻

五洋電機と合併し、ホールディングスの初代社長となった島耕作。

中国、韓国の電機メーカーが日本の電機メーカーを越えている時代です。

最初の課長島耕作ではまだまだ日本の電機メーカーの足元にも及ばないという記述が多数ありましたが、それがいつの間にこのような状況になってしまったのでしょうか。

漫画の世界以上に現実の世界は驚きです。

ここからはさらにロシアも絡んできます。

特にこれまで島耕作の部下として一緒に頑張ってきたはずの八木氏が、取締役となってから仕事もおかしくなり、中国では強硬姿勢で大変なことになります。

歳をとり先が見えてきたのか、クラブの女に熱を上げそこから転落人生です。

最後はまさかのロシアで殺されるという最悪の方向に行ってしまいました。

会社名を「テコット」に変更し、新たなスタートです。

強力な韓国、中国に対抗するためにはどうすればよいのか、日本企業の悩みそのままストーリー展開していきます。

その後はまた裏社会の話に。

もっと本筋の会社の話を進めてほしかったのですが、やはり難しいのでしょうか。

それとも大企業だとここまで裏社会に関わることがあるのでしょうか。

さらに、その後には政治です。

ちょうど中国で反日活動が盛んとなり、同じように巻き込まれます。

2019年の今は韓国が反日活動が盛んですが、10年前は中国だったことと思い出させてくれました。

なかなかアジアはまとまりませんね。

日本の技術が韓国にどんどん盗まれていく時代でもありました。

それが実際と同じように日本の社員がそのまま韓国に引き抜かれます。

日本ではそれほど給料を高くできないのですが、そのスキルは韓国では高く売れます。

そこまで培ったスキルはその人のものではなかったとしても、結果は知っているので良い方法です。

こうしてあっという間に日本は駄目になっていってしまいます。

さらに東日本大震災も描かれます。

副社長のクーデターも起こされますが、未然に察知し防ぎます。

副社長は辞任しますが、その後自殺してしまいます。

会社人生ってどうなんだろうということを感じてしまいました。

死にたくなるほど会社に付き合いたくないですね。

大町久美子が癌になり子宮摘出に。

この辺は現実でもありそうです。どんなお金持ちでも病気になります。

そして最後は赤字の責任を取り社長を退任です。

後任はまさかの国分氏だったのは驚きましたが。

さすがに社長の話としてものすごい規模ですが、課長・部長時代に比べるとストーリー性はいまいちだった気がします。

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